BCI(ブレイン・コンピュータ・インターフェース)とは、脳とコンピュータを直接繋ぎ、思考を機械に伝えたり、機械からの情報を脳に送ったりする技術です。SFの世界の話に思えるかもしれませんが、この技術はすでに研究が進み、実用化の段階に入ろうとしています。
先日も、このようなニュースがありました。
New brain-computer interface allows man with ALS to ‘speak’ again
(日本語訳:新しいブレイン・コンピューター・インターフェースにより、ALSの男性が再び「話す」ことが可能に)
ALSとは、全身の筋肉が徐々に動かなくなる病気で、最終的には呼吸もできなくなってしまいます。そして、多くの患者さんが、言葉を発することができなくなるという辛い現実にも直面します。
今回の研究では、ALS患者さんの脳に小さな電極を埋め込み、脳の信号をリアルタイムで読み取り、それを音声に変換することに成功しました。なんと、97%以上の高い精度で、患者さんの意図した言葉を聞き取ることができるようになったのです。
この技術が実用化されれば、ALS患者さんだけでなく、脳卒中や脊髄損傷などで言葉を失ってしまった人々も、再びコミュニケーションを取ることができるようになるかもしれません。また、将来的には、BCIと人工知能を組み合わせることで、より自然で豊かなコミュニケーションが可能になるかもしれません。
この研究は、私たちに大きな希望を与えてくれます。科学の力で、ITの力で、誰もが平等にコミュニケーションできる社会が実現する日も、そう遠くありませんね。
(IT事業部門 T.H)